私はもともと大分県の人間ではありません。
番匠おさかな館がオープンする1年前、 開館準備のために大分県にやって
きました。
大分行きが急に決まったため、 番匠川について下調べをする時間もなく、何の
予備知識もありませんでした。 準備をするにあたり、何も知らないのもまずか
ろうということで、 まずは予備調査として実際に川を見てまわることにしました。
源流から川沿いに歩いて下り、 見たもの感じたことを地図に書き込み、 写真を
撮るという作業を始めたのです。
そんなある日、 まわりが木々で囲まれ薄暗く、川幅の狭い渓流を歩いていると、
木漏れ日のあたる石の上に一匹のジムグリ(ヘビの仲間)がいました。
写真を撮るためにゆっくりと接近。
ほどなくこちらに気がついたジムグリは、 川の中に入り込み対岸に向かって
泳ぎだしました。
逃げられちゃったか・・・
と、 あきらめ気分のままジムグリの行き先を見ていました。
ところが、
何をあせっていたのかジムグリは、 途中で急流に流されてしまい、落ち込みの
ところで流れにまかれ、 もみくちゃにされています。洗濯機の中にいるような
状態です。
アップアップしながら、 何とかその落ち込みから脱出。 対岸にたどり着くことが
できたのですが、 そこは容易に上ることのできない岩盤です。 何度も這い上が
ろうとするのに、 どうしても陸に上がることができません。
だんだんと力尽きてきたジムグリは、 さらなる落ち込みに向け流されていき
ました。
助けてやろうかとも思ったのですが、 流れが速く容易に近づけません。
さらに十数メートル流されていくうちに、 ようやく流れの緩やかなところにたどり
着き、 なんとか岸に上がることができました。
大丈夫かな?と思いながら、 対岸に渡れるところを探し出し、ジムグリに近づいて
みました。 疲れきったジムグリにはもう逃げる気力もないようです。
こちらをちらっと見るだけで、 動こうともしません。
・・・もうどうにでもして
てな感じ。

なんだかおかしくて笑いがとまりませんでした。
ジムグリさん、おどかしてごめんなさい。
とりあえず予備調査用の地図には、 ジムグリを発見した地点に
『ジムグリ溺れる』
と書き込みました。
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