春なのに冬の話です。
1月に少しお休みをいただいて里帰りをしていました。
実家までは電車で6時間ほど。 飛行機を使っても待ち時間などを
含めれば5時間はかかります。とにかく遠いんです。
移動時間はものすごく退屈でなるべく寝るようにしているのですが、
さすがに5時間も6時間も寝続けることはできません。
そこで今回は暇つぶし用に、 何冊かの本を持って帰省することにしました。
その中の一冊が新潮社から出版されている『異能の画家 伊藤若冲』。
伊藤若冲とは江戸時代に京都で活躍した画家です。 ここ数年ブームっぽく
なってるんで知っている人も多いかと思います。ブームに乗るのってイマイチ
いやなんですが、好きなものは仕方ありません。
最近では プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展が全国で催され、昨年、
九州国立博物館でも開催されていたので二度も見に行ってしまいました。
その『異能の画家 伊藤若冲』の中で、著者の一人である森村泰昌さんが若冲の
『池辺群虫図』に対して、一言で言うと 「スケールが小さい」って評論してます。
「悪い意味じゃないんです」と言いながら。
「この人、基本的に、いつも視線は下向き。足元の草や虫や土くればっかり見て
いるみたい。大空を描いた絵なんてないんちゃうかな」と。
ここでは雪舟の『四季山水図』と比較して、「どうです、このスケール感!若冲さん
のスケールの小ささがわかるでしょう」 って。
この評論、ものすごくよくわかります。
私も若冲さんのようなスケールの小ささが目標です。多くの人が気付いていない
だけで、身近なところに面白いことはたくさん転がっています。何でも面白く感じら
れるような感性を持つことができれば最高なんですけど。
うちのような弱小水族館にはそんな視点が必要です。
スケールのでかいことは大きな水族館にまかせちゃいましょう。
大きな水族館と同じことをしてても仕方ないしね。
<い>
